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民主党・前原誠司氏に問う

2007/06/06 17:06

 

民主党前原誠司氏に問う

 民主党の前代表・前原誠司氏が、安部首相は「首相の器にあらず」と述べたらしい。
 下記、産経の記事によると、「前原氏は安保・外交政策をめぐり首相と考え方が近いとされるが…」ということだが、前原氏のこれまでの言動を見る限り、才はあるが理念があやふやで、遺憾ながらまだ、安部首相とは器が違うと見ざるを得ない。
 前原氏に会ったことはないが、京大法学部・高坂正堯ゼミで私の何年か下に当たるらしい。そのため大いに期待してきたが、伸び悩みが顕著で、このままでは、蕾のまま腐っていくことにもなりかねない。
 産経記事に続いて、今年2月13日衆院予算委における、拉致・核問題をめぐる安部・前原のやりとりを掲げておく(前原氏のホームページから抜粋)。
 前原氏の議論は、北朝鮮体制の本質が把握できていない宥和主義的インテリが繰り返してきたもので、特に目新しさはない。
 アメリカも一枚岩ではなく、宥和派とハードライナーのせめぎ合いが続いている、日本の姿勢いかんがそのせめぎ合いに影響を与える要素になる、といったダイナミックかつ主体的な状況認識の欠如も明らかで、視野の狭さ、積極性のなさを感じざるを得ない。、
 前原的「ただ乗り」批判に対しては、私なりの提言も出しているので、最後にそれを掲げておく(4月22日、日比谷公会堂における私の基調報告の一部。拉致問題集会の模様を文字起こし頂いている「Blue jewel アーカイブ」サイトを参照した)。
 前原氏からの建設的反論を期待している。


産経新聞2007/06/06
民主・前原氏が首相を痛烈批判 
 民主党前原誠司前代表は5日の党常任幹事会で、安倍晋三首相の年金記録紛失問題への対応について「首相の器にあらず」と痛烈に批判した。
 前原氏は、首相が年金記録問題で、元厚相の菅直人民主党代表代行にも責任があったなどと指摘していることについて「首相はすべての責任を負わなければいけないのに、責任を転嫁するとは情けない」と指摘した。
 前原氏は安保・外交政策をめぐり首相と考え方が近いとされるが、この日の首相批判については「前原氏が民主党から離れて首相と連携するといううわさを自民党が流しているので、打ち消すため」(民主党筋)との見方も出ている。


衆議院予算委員会 2007/02/13
……
前原誠司
 外交的に政策決定の軽重というものをやはり判断する場面というのが私はあると思うんですね。例えば、拉致問題は極めて大事だ、拉致の問題解決なくしては日朝国交正常化はあり得ないし、例えば日本が独自で北朝鮮に対しての支援というものをやることはない、これはもう国民全員がコンセンサスとして得られる話だと私は思いますよ。 
 ただ、先ほど申し上げたように、もしこの問題がうまく解決できなかったときに、どんどん北朝鮮が核開発を継続する可能性がある、それをとめなきゃいけない。そして、それに対しては、中国を議長国として各国が一生懸命外交努力をしている。 
 私は、この外交問題、後でお話をする日米同盟関係についてはライフワークでやってきましたので、いろいろなアメリカの、総理とも人脈がかぶっている部分があると思いますけれども、どちらが大切なんだということをよく聞かれる。拉致の問題なのか、核の問題なのか。どちらも大切ですよ。どちらも大切だけれども、核の問題のマネジメントを間違えば、何十万、何百万という国民を被害に陥れる可能性がある、また、核のいわゆる環境破壊というものに何十年、何百年、ひょっとすればさらされる可能性もあるわけですね。 
 その中にあって、外交問題で、この六者協議で合意を得るのに、それは日本の固有の問題、韓国も拉致問題があったとしても、日本の固有の問題を理解すると言ったとしても、それは私は、この六者協議の枠組みの中からどんどん日本が発言権を失っていく話になるのではないか。大きな枠の中で、これは後でお話ししますけれども、日米関係にも大きな影を落とすと私は思いますよ、これにこだわり過ぎていれば。だから、変えるなら早い方がいい。 
 つまりは、拉致の問題も大切だけれども、六者協議の中で合意した重油支援というのはやりますと、そこは。そして、この拉致の問題を解決するに当たっては日朝で作業グループをつくる、そして、日朝国交正常化の前提としては拉致の全面解決以外はあり得ない、そして、日本がバイの関係の中で北朝鮮を支援することはあり得ない、そういうことでしっかりと拉致の問題に対してもメッセージが行くんじゃないですか。 

■安倍内閣総理大臣
 私は、賢明な前原委員がなぜそういうことをおっしゃるのかわからない。 
 もし今、交渉において、日本が重油を出さないということにおいてこの協議がとまってしまったということになれば、我々はそういう選択を迫られます。重油を供給するかどうかという選択を迫られるわけでありますが、しかし、私たちは、その前に、外交を展開した結果、米国とも緊密な連携を図っています。中国ともそうです。韓国だってそうですね。ロシアともそうです。その結果、日本の立場を理解してもらって、このスキームの中には日本は入らない。 
 もちろん、しかし、例えば北朝鮮のエネルギー事情を調べる、エネルギー支援のために事情を調べるということについては、日本もそれは協力するかもしれない。重油は出しませんけれども、これを出すという、何かスキームの全体においての協力は日本もしてまいります。それはもちろん当然のことであろうし、そのことも期待をされている。 
 しかし、日本が出さないということを今の段階では了解をされているわけでございます。それは日本の強い意思だということで先方に申し上げて、向こう側から了解をとっている状況にあっては、まさに北朝鮮に対して日本の援助、北朝鮮はやはり日本の援助をもらいたいと思っている、これは拉致問題を解決していくための大切なてこでありツールである限り、我々はそうたやすくこれを手放すわけにはいかないと考えております。

前原誠司
 私は、賢明だとおっしゃっていただいたので申し上げますが、トータルで考えた場合に、安倍さんが突き進もうとしていることは、私は日本にとっての利益にならないと思う。 
 外交問題の中でこの問題を解決し、北朝鮮に最終的に核の放棄をさせる、これは日本だけではできないですよ。拉致の問題も、結果的には、北朝鮮に核の問題を含めて外交的な圧力を国際社会でかける中で一緒に連携していかざるを得ないし、その中にあっては、日本だけは了解されと言っているけれども、私は、この問題については現在進行形なのでこの程度にとどめますけれども、他国の評価がどういうものなのかということはおのずと明らかになるはずですから、そこは安倍政権の大きなマイナスの評価になるということも改めて申し上げておきたいと思います。 

 

島田洋一「国民大集会」基調報告(2007年4月22日、日比谷公会堂)より
(前略)
 2月13日の六者合意(初期段階の措置)以来、拉致にこだわって核合意の枠におけるエネルギー支援に参加しないと日本はバスに乗り遅れる、安倍首相をそういう言い方で批判していた人もいました。しかし、バスは、出発前にすでにエンストして、崩壊寸前という状況にあります。
 動かないバスに、どうやって乗り遅れるんでしょうか?
 結局北朝鮮の本質を分かっていない人々による戯言に過ぎなかった事情が明らかとなりました。
 たとえ今後、この欠陥バスがのろのろ動き出すことがあったとしても、日本は、拉致問題が解決しない限り、一切のエネルギー支援に応じないという立場を変えるべきではないと思います。
 海外においても、あるいは日本国内においても、北の核廃棄で最も恩恵を受ける日本が応分の負担をしないというのは、いわば「ただ乗り」であっておかしいんじゃないか、確かにそのようなことを言う人はいます。
 私は、それに対しては、こう答えればよいと思っています。すなわち、もし実際に、北朝鮮が核施設の無能力化に踏み切った時点で―そんな事はありえないと思いますが―、その時点において、日本は、核兵器・核施設の解体および海外搬出の費用を全額負担する、だから、そこまで持って来られるというなら、どうぞ持ってきてくれ
 そこまで持ってくるなら、核施設の安全な解体・海外搬出、これは結構費用がかかりますが、すべて日本が持ちましょうと。
 北京政府や盧武鉉やヒル氏が事態をそこまで進展させられるんだというならやってみなさい。もし出来たなら、大いに敬意を表しつつ、解体作業は全部日本の費用でやりますよ。そう宣言すればよいと思います。
 曖昧な「中途プロセス」におけるエネルギー支援など、ただ取りされると分かっているものには、拉致問題もあり、日本は一切出しませんということで、何ら問題はない。
 このやり方であれば、日本としては、北朝鮮にエネルギーその他を「ただ取り」される心配もなく、同時に「ただ乗り批判」にもしっかり対抗できる
 どこからも文句を言われる筋合いはない。そのように考えます。
(後略)

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