米保守派はおしなべて、活動的で“草の根保守”の女性サラ・ペイリン(44)を副大統領候補に選んだマケインの決定に大拍手を送っている。

ラッシュ・リンボー、ショーン・ハニティ、ヒュー・ヒューイットといった影響力の大きい保守派トークラジオ・ホストの番組を聴いたが、「場外ホームラン」「満塁ホームラン」「途方もなくいい(fabulous)」「素晴らしく大胆な動き(brilliant and bold move)」といった表現が溢れていた。
マケインに懐疑的だった共和党右派も、これで大いに選挙戦に熱を入れるだろう。
アメリカでも主流メディアは、ペイリンを「まったく無名のアラスカ州知事」などと表現しているが、保守派の雑誌やトーク・ラジオは、今年初めあたりから、候補の一人として、ペイリンに好意的に言及していた。
私が唯一定期購読している米誌『ウィークリー・スタンダード』でも、何度か写真入りで取り上げられていた(写真は最新号表紙)。
日本の保守派の立場から米政治を見ている人間にとっては、アメリカの知事の中でも最も“知名度”のある人の一人だった。
リベラル派はすでに、「外交経験ゼロ」などとペイリンを攻撃し始めている。
確かに、オバマの副大統領候補ジョー・バイデンは、現職の上院外交委員長でもあり、「経験」は豊富だ。
問題は、バイデンの判断が、ほとんどの場合、間違っていたという点である。対ソ外交しかり、対北朝鮮外交しかり。理念なき宥和主義者なのである。
日本に置き換えれば、「加藤紘一の方が稲田朋美より外交経験豊富」と力説するようなものだ。だから加藤の方が信頼できる、と言えば大抵の人は笑うだろう。
経験とは、学ぶ能力がある人にとってこそ意味がある。ゼロにどんな数字を掛けてもゼロのままだ。
加藤のような男が何をどれだけ「経験」しようが、ただ、自身の嫉妬の炎を燃やす廃材として消費されるばかりで、国家に何の益するところもない。

